そもそも何のために管理する必要があるの?
そんな疑問にお応えする為、
在庫管理の重要性についてご紹介します。
個人事業主でも棚卸しをして
確定申告時に結果を申告しなければなりませんが、
在庫を管理することでメリットがあるのは
単に確定申告だけではありません。
在庫管理をしっかり推進することで、
事業の効率化や売上げUPにも繋がります。
在庫管理の重要性を理解して事業運営に活かしていきましょう!!
本記事の信頼性
少し紹介させて下さい。
この記事を書いている
私はSyounosuke(@syounosukeblog)です。
2020年末に脱サラしてから
個人事業主として仕事をしています。
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Syounosuke blog 運営人プロフィール
本記事の内容
①棚卸しのための在庫管理
②棚卸以外の在庫管理メリット
③在庫管理の方法とツール
棚卸のための在庫管理について
青色確定申告の個人事業主で
在庫を所持している場合には、一年に一回、
必ず確定申告で棚卸表を提出しなければなりません。
まずは棚卸について説明します。
在庫の種類は2つ
在庫には「商品」と「消耗品」の二種類あります。
得意先に販売する為に保管しておくものと
自分で使用して利益にはならないものとありますが、
小規模な個人事業主の棚卸は基本的に消耗品を
棚卸資産として会計処理する必要はなく、
販売目的のための在庫に限定して処理すれば問題ありません。
商品在庫の棚卸しとは
棚卸しは年末時点で残っている在庫の数を数えます。
普段、帳簿で記帳して算出された粗利と
棚卸しで在庫数を数えて算出された粗利が同じになるかを確認します。
例えば
1年間で10万円の商品を10台仕入れて、
12万円の売値で6台売れたとします。
①帳簿記帳
1年を通して
10万円×10台=100万円の仕入れ、
12万円×6台=72万円の売上げを帳簿していきます。
1年間の粗利は2万円(12万円-10万円)×6台
ですので12万円となります。
②棚卸し計算
年末に残った在庫数を数えます。
この場合、年末の在庫数は4台です。
そこから
(前年の棚卸高)+商品仕入高 - 商品棚卸高=売上原価
売上高 - 売上原価=粗利
の計算式に沿って計算していきます。
仕入100万円-4台×10万円=60万円
売上高72万円-60万円=12万円
①と②の粗利が同じ数字になれば問題ありません。
数字が違った場合には帳簿ではなく、
②の実際の在庫数の結果に合わせて申告します。
在庫の管理が不十分で在庫が1つなくなってしまうと
利益が実際よりも増えてしまって税金を
多く払わなければならなくなってしまいます。
普段から在庫を管理しておくと
そのようなことがなくて済みますね。
個人事業主が在庫管理するメリット
棚卸しの説明を聞かれた方で
それでは年末にしっかり在庫を数えれば
普段の管理はあまり必要ないのでは?
と思われた方も多いかと思いますが、その通りです。
在庫管理がもたらすメリットは
確定申告に対しては粗利を算出するだけで薄いです。
しかし、在庫管理をすることで、
個人事業の運営に対するメリットはその他にも多くあります。
メリットは次の7つです。
①キャッシュフローが安定する
②業務の効率化
③顧客の信頼UP
④トラブル対応のバックアップ
⑤不良在庫や余剰在庫の削減
⑥保管スペースの確保
⑦職場の安全
これらのメリットで仕事が効率化されたり、
顧客からの受注が増え、売上UPに繋がります。
それぞれについて詳細を説明していきます。
①キャッシュフローが安定する
仕入れに資金を使いすぎると、
すぐに使える手元のお金が少なくなり、
事業運営が苦しくなってしまいます。
最悪の場合は黒字倒産ということにも成り兼ねません。
在庫管理を適切に行うことで
キャッシュフローを安定させましょう。
②業務の効率化
在庫の管理ができていなくて
発注のたびにに在庫数を確認するなど
無駄な作業時間を削減できます。
削減できた時間は
他の作業にまわすことができます。
仕入れている数量のデータを記録しておくことで、
適正な在庫の仕入れ数が導きだされます。
仕入れ需要の予測ができることで、
多種類の商品を一度に仕入れることができ、
送料の削減をすることもできます。
③顧客の信頼UP
在庫を持つことでお客様の注文に
すぐに対応することができます。
発注から納品までのリードタイムが短くなることで、
信頼も得て、仕事の回転が良くなり、
多くの仕事を受注することに繋がります。
また、お客様に職場の状態をみられた場合には
しっかりと在庫管理をしているかいないかで印象も大きく違います。
きれいに在庫を保管している状態をみたら
仕事の管理も徹底して行き届いていると思ってもらえますよね。
④納期遅延トラブル対応のバックアップ
仕入れ先でトラブルが起きて
納入遅延が起きた場合に自分で管理している
在庫を納入することで納期遅延を防止できます。
納期遅延は単純に仕入先の生産が間に合わないだけではなく、
予期せぬ天災や火事などでも発生してしまいます。
万が一の場合を考えて日頃の出荷数から
適切な在庫を持つことでトラブルのバックアップとしておくと良いでしょう。
⑤余剰在庫や不良在庫の削減
✅余剰在庫とは
仕入れた数が多すぎて余ってしまった在庫です。
長期間在庫としてもっていると日の光や湿気、埃などで
商品の品質は落ちてしまいます。
最悪の場合売り物にならなくなってしまい、
再度発注しなければならなくなってしまいます。
✅不良在庫とは
不良品や欠陥品、賞味期限切れの商品などの
そのままでは売れる見込みのない在庫のことです。
どちらも売れることがなくずっと眠っている在庫は
保管場所を圧迫してしまい、無駄な資産にもなってしまいます。
適正な数の在庫管理や
使い道のないものは破棄するなどすることで、
生きている在庫資産だけを管理するようにしましょう。
⑥在庫管理場所スペースの確保
在庫管理にはどうしても
管理するためのスペースが必要です。
特に商品在庫を管理しておくスペースは
設備や道具を置いておくスペースと違って、
事業に活用することができない為、事業に役立ちません。
先ほどの余剰在庫や不良在庫をもたないことで
必要最小限のスペースに納めることができます。
在庫を管理していないと在庫があるか不安になって
必要以上に多く手配してしまうなどで無駄なスペースを使ってしまいますので、
在庫管理は重要になります。
⑦職場が安全になる
在庫を管理することで
モノがあふれた状態を回避できます。
在庫が山積みにされていると
崩れて落ちてくる危険もあります。
また、モノがあふれていると
通路に放置されたりして、つまづきの原因になってしまいます。
消火器などの周りにあるといざというときに
消火器が使えないな安全衛生上の問題となってしまいますので、
適正在庫でモノがあふれないようにしましょう。
在庫管理方法
在庫管理手順
在庫を管理するためには
・現場の状況把握と管理
・データ管理
が重要です。
データで記録を取っていけば良いと考えがちですが、
現場の現状把握をまずしなければ日常管理ができません。
step
1在庫の現状把握
まずは現状抱えている在庫を把握します。
何がいくつどのような状態であるかを把握していきましょう。
すでに多くの在庫を抱えている人は
普段の仕事に追われてここで挫折してしまって先に進めません。
毎日少しづつ進めたり、
それも難しいようであれば新たに発注する
仕入れ品から記録をしていくようにしましょう。
step
2在庫を整理・整頓する
在庫の「整理」をします。
余剰在庫や不良在庫など不要なものは破棄して
在庫の種類をシンプルにします。
次に「整頓」です。
在庫をカテゴリ毎に置く場所をまとめたり、
棚に商品名や管理No.をつけて収納し、
すぐに見つけられるようにしましょう。
step
3データ管理する
整理・整頓した在庫の情報をデータにまとめて一元管理します。
次のような在庫情報を記録しておきます。
・在庫名
・保管場所
・数量
・状態
・仕入先
・仕入金額
・仕入日
数量を更新する場合には数字を書き変えるのではなく、
数量の変動がわかるように履歴を取っておくと良いです。
一定の数量を下回ったら追加で仕入れるようにしたり、
需要予測がわかってきたら定期的に必要数を
仕入れるようにしていきましょう。
仕入れ日なども履歴をとっておくと
後で余剰在庫だったのかも判断することができます。
個人事業主向けの在庫管理ツール
最後に個人事業主向けの在庫管理するためのツールを紹介します。
個人事業主の場合、企業のように
多品種の在庫を扱わないことが多いですので、
Excelやスプレッドシート、無料アプリを活用されると良いです。
Excel 又は Googleスプレッドシート
特に費用をかけたくなく、
管理する在庫の種類も少ないという場合には「Excel」をおススメします。
Excelを購入する費用も抑えたいという方は
「Googleスプレッドシート」を使用すると良いでしょう。
インターネットが繋がっていて、
Googleのアカウントを取得していれば使用できるのでおススメです。
Googlスプレッドシートは無料の代わりに
Excelよりも機能が劣りますが、在庫管理をできる機能は十分あります。
無料版の在庫管理アプリ
Excelやスレッドシートの欠点は
自分で在庫管理表を作成しなければなりません。
Excelが苦手という人は不安ですよね。
そこで一番におススメしたいのは
在庫管理の無料アプリやソフトです。
入力する表などもすでに用意されているため、
在庫の情報を入力するだけで、在庫情報を保存管理することができます。
在庫管理アプリ「ZAICO」は
200品目までであれば無料で管理ができます。
クラウドに情報を保存するので、
スマホやパソコンなど複数の端末で管理ができます。
その他、多品種の在庫を取り扱う場合には
ご紹介した「ZAICO」アプリでも有料であれば
200品目以上の管理ができますが、
有料の在庫管理ソフトや
サービスは他にもあるのでそちらもご検討ください。
まとめ:在庫管理で個人事業の売上げをUPさせよう!!
個人事業主の在庫管理について説明させて頂きました。
ポイントは次となります。
・確定申告の為に棚卸しが必要
・売上UPに繋がる在庫管理のメリットがある
・Excel、スプレッドシート、無料アプリを活用して効率よく管理する
効率良く無駄のない在庫管理運営をして
個人事業の売上げUPを狙っていきましょう!!